グリザイア:ファントムトリガー

原作: Game/Adult

グリザイアの果実
物語の舞台は三嶋崎という名の海辺の町である。2011年5月現在、三嶋崎には約1年前に設立された「私立美浜学園」という全寮制の学校が存在している。同月24日、主人公の少年・風見雄二がここへ転入生として訪れることから物語は始まる。
外界から隠すように、そして守るように高くそびえる塀に囲まれた美浜学園。生徒はわずか5名しか在籍しておらず、その誰もが女子であった。唯一の男子生徒となった雄二は、個性豊かな女子生徒達に囲まれ、賑やかで平和な毎日を過ごしてゆく。
だが、そうした一見明るい日常とは裏腹に、美浜学園の5人の女子生徒達には、それぞれ他人には聞かせられない暗い過去が秘められていた。雄二は学園生活を送るうち、5人のうち1人の女子生徒が抱える秘密を知ることになる。
グリザイアの迷宮
:「カプリスの繭」学園の寮でとある書類を見つけてしまう。それは風見雄二が昇進試験のために作成した自分の過去に関する資料の下書きであった。シュレッダーで裁断されていたが、小嶺幸の恐るべきメイド力によって復元された資料によって学園の女子生徒が誰も知らなかった雄二の壮絶な過去を知る。
:主人公・風見雄二の人生は天才の姉・風見一姫が滝園学園マイクロバス転落事故に合ったことをキッカケに大きく変わってしまう。
:それまで姉と比較して雄二を見下していた父・風見亮二は雄二や雄二の母・風見聡子に暴力を振るうようになり、家庭は崩壊。居場所を失った雄二は父と付き合いのあったヒース・オスロに引き取られ、暗殺者の養成機関へと送り込まれてしまう。
:その後、オスロのアジトに襲撃をかける強襲作戦の指揮官を担当していた日下部麻子に発見され、麻子の養子となる。麻子は後継者として雄二を育て上げた。雄二は正式に麻子の後を継ぐためアメリカの海軍学校で実戦経験を詰み日本に帰国後、自衛隊で国内ライセンスを取得する。
:麻子の後を継いだ雄二はヤブイヌ小隊の一員としてバンクーバー国際空港ハイジャック事件で美浜学園の学園長である橘千鶴を救出する。その後も軍人としてアメリカで活躍していた雄二であったが、麻子の危篤を知らされ帰国するも、古傷の後遺症が原因で麻子は雄二に看取られ帰らぬ人となった。
:麻子を失った雄二は、自分の進むべき道を見失い、北海道へ放浪の旅へ出かけた。そこで見知らぬ人に「青春だな」と声を掛けられたことをキッカケに、"普通の学生"として青春をやり直す事を決意する。
:時は廻り2012年7月、雄二は日本に上陸した"国家の敵"イーサン・グロウの狙撃任務に就いていた。しかし、スコープから標的の顔を確認した瞬間、雄二の体は凍りつく。
:スコープに映った標的は、イーサン・グロウではなく雄二を殺人装置へと育て上げた男、ヒース・オスロだった。オスロは雄二が自分を狙っていると察しているかのようだった。そしてオスロの唇はこう呟いた。―――私は帰ってきたぞ、風見雄二。
:
:「カプリスの繭」以降の世界では雄二はヒロインの5人全員の秘密を知り、それにまつわる問題を解決したことになっている。
グリザイアの楽園
強い因縁を持つヒース・オスロの暗殺に失敗した風見雄二は、そのまま会社によって拘束されてしまう。
一方、雄二の過去を知り、それぞれが複雑な思いに揺れる美浜学園の5人の前に信じられないニュースが流れる。それは雄二がテロリストとして在日カザフスタン領事館を襲撃している映像だった。
そんなはずは無いと分かっていても、なかなか行動に移せない学園の面々。事の真相を確かめるべく、松島みちるは思い切って雄二に電話をかける。しかし、通話相手は何故か女性。事態はますます混乱する。
榊由美子は"情報屋"と名乗る人物と接触を試みる。情報屋が密会場所に指定してきたのは、都心から少し外れた場所にある蕎麦屋だった。蕎麦屋の主人・ジミー岡田と名乗る人物は雄二の友人だという。イマイチ信用しきれない由美子に、ジミー岡田は雄二との思い出を語る。
美浜学園廃校の日。女子生徒5人は雄二を救出する決意を胸に、学園を後にする。
いつの間にかみちるのポケットに入れられていた謎の携帯電話から、5人に接触を図る”タナトス”と名乗る人物。5人が雄二を救出する作戦に相応しいかをテストするという。
その頃CIRSではオスロの事件の真相に近づかれないようにと、雄二の上官であったJBを軟禁する。面会に訪れたキアラに謎のメッセージを伝えたJB。予め秘策を用意していたようだが…?
雄二奪還作戦で想定される移動ルートの下見をする天音は、タナトスが一姫である事を確信する。HiBiKi Radio Stationにてインターネットラジオ『クラブ・グリザイア』『クラブ・グリザイア セカンドシーズン』が配信された。本放送に先駆けて2011年2月9日に第0回が配信された後、2011年3月2日から8月17日まで全25回が配信された。毎週水曜日に配信。12月14日からは『クラブ・グリザイア サードシーズン』として復活し、2012年2月29日まで全10回が配信された。パーソナリティは民安ともえ、一色ヒカル、永澤優花。

アニメ化に合わせて『グリザイアの番組(ラジオ)〜世界に刃向かう、一つのラジオ〜』のラジオ名で音泉とHiBiKi Radio Stationにて2014年9月30日から2015年7月14日まで全32回が配信された。12月30日(第14回)まで毎週火曜日配信。アニメ2期決定を受けてラジオも継続となったが、1期と2期の合間になる2015年1月から3月までは月1回最終週火曜日に配信となる。パーソナリティは田中涼子、たみやすともえ。第17回を「グリザイアの果実」としてのラジオの最終回として、パーソナリティが田中涼子から清水愛に交代し、2015年4月の第18回からは毎週配信に戻った。事故で部員が亡くなり廃部となった滝園学園バスケ部の同窓会がネットの書き込みから話題になっている。何者かのいたずらであろうと思われるも、興味半分でその会場に訪れた主人公は、そこでヒロイン達と不思議な体験をすることとなる。

スピンオフ作品・コラボレーション
;グリザイアの安息
DMM.R18で配信されていたソーシャルゲーム。全年齢向けではなく18禁である。2013年9月25日にPC版が、10年5日にスマートフォン版が配信。ステージを選択し、体力を消費して進行度を上げていくスタンダードなもので、ステージには最初と最後にショートストーリーが挿入され、新しいステージに行くたびに物語が展開するといった内容。描きおろしイラストや書きおろしシナリオも配信されていた。
アイドル魔法少女ちるちる☆みちる
松嶋みちるを主人公としたスピンオフ作品。18禁ではなく、一般向けゲームとして制作されている。前後編で制作され、前編が2014年8月15日に、後編が2014年12月11日に発売された。『グリザイアシリーズ』のキャラクターが登場するものの、設定は大きく異なる。ストーリーもハードな展開の本編とは異なりギャグ満載のコミカルなものとなっており、売れない地下アイドルの松嶋みちるが魔法の世界からやってきた猫のニャンメルと出会い、魔法少女として活躍する、というもの。
PlayStation Vitaにも移植され、PC版で前後編に分かれていた内容を1本にまとめた『グリザイアの果実スピンアウト!?アイドル魔法少女ちるちる☆みちる』が2015年6月25日に発売された。
でか☆むす
オルトダッシュの開発により、GREEとMobageで配信されていたソーシャルゲーム。2015年10月23日から11月19日までフロントウイングが監修した『グリザイアの果実』とのコラボレーションシナリオが配信された。
ガールズクロスクロニクル
通称ガルクロ、DMM.R18とDMM.comで配信されているソーシャルゲーム。R18版との違いはアビリティ解放時のHシーンの有無。
グリザイアの果実から、榊由美子(私服、制服)、周防天音、松嶋みちる、入巣蒔菜、小嶺幸が参戦している。
2017年5月15日からサービス開始しているので、これから風見一姫等の参戦も期待できる。

脚注

スタッフ

  • 音楽
    Elements Garden
  • キャラクターデザイン
    渡辺明夫
  • シリーズ構成
    倉田英之
  • 脚本
    高橋龍也
    倉田英之
  • 監督

制作会社

エイトビット<br />バイブリーアニメーションスタジオ(ファントムトリガー)