信長の忍び〜姉川・石山篇〜
日本の戦国時代を舞台に、少女忍者千鳥とその主織田信長が愉快な仲間達と共に天下統一を目指す。
後述の『尾張統一記』『軍師 黒田官兵衛伝』『政宗さまと景綱くん』『真田魂』は本作の延長線上にある作品群であり、異なる時間軸で描かれる。また、『尾張統一記』を除き信長亡き後の世界が描かれている。
基本的にはギャグ漫画だが、細かな戦国時代の逸話・蘊蓄も盛り込まれ、またストーリーラインは史実をほぼ忠実に押さえており、中学校社会科の教員免許を持つ作者の知識が存分に生かされている作品である。
作者の弁によれば「『忍び漫画』ではなく『忍びの目から見た戦国漫画』」とのこと。重野の4コマ漫画専門誌以外での連載は本作品が2作目であり、同じ雑誌からの連載である。
大羽快のギャグ漫画『殿といっしょ』7巻の帯と巻末の漫画にも、コラボで登場している。
2016年2月26日にアニメ化が発表された。同年10月より放送開始。詳細は「テレビアニメ」の節を参照。
スタッフ
- 音楽増田俊郎
- キャラクターデザイン山中純子
- 監督
制作会社
トムス・エンタテインメント/V1StudioOne Room
スマイラル・アニメーションが『枕男子』、『あにトレ』シリーズに続いて送る「バーチャル・アニメ」第3作。視聴者を主人公に据え、『One Room』ではそれに恋する女子キャラクター3人が主人公の部屋を訪れるという設定、『Room Mate』では洋風マンションの管理人が3人の男性の店子を迎える設定、とそれぞれなっている。
作品の舞台は西武鉄道江古田駅をモチーフにした駅が登場することから練馬区旭ヶ丘である。また、西武鉄道の車両も第1話に登場している。
スタッフ
- キャラクターデザイン谷拓也カントク中田知里左
- 監督佐久間貴史
- 音楽山田知広
- 脚本霜井蒼星
制作会社
颱風グラフィックスダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII
外伝『ソード・オラトリア』
;『都市の破壊者編』
外伝 第一部
外伝 第1巻
時系列としては本編1巻に相当する。
ロキ・ファミリアは、これまで未踏破であったダンジョン59階層へ挑戦していた。部隊は50階層の安全地帯に到着し、冒険者依頼を果たすために、フィンたち幹部を中心とした小部隊が51階層を探索していた。
そこで、フィンたちは未知の極彩色のモンスター(巨蟲)と遭遇する。大量の巨蟲が強力な腐食液を用いてフィンたちの武器を次々と破壊したため、フィンたちは物量に押されて為す術がなくなり、50階層へ撤退する。そこに、下半身が巨蟲で上半身が女性の人体である未知のモンスターに襲われ、部隊は窮地に陥る。
フィンは部隊の地上への撤退を決断し、腐食液に対処可能なアイズだけを未知のモンスターと対峙させ、その間に部隊を安全に撤退させる作戦を指示する。アイズは、これに応え、部隊の撤退を確認した後、未知のモンスターを撃破し、遠征部隊は難を逃れる。その後、部隊の撤退中にアイズは偶然ミノタウロスに襲われたベルを助けたが、ベルは脱兎の如く逃げ出してしまう。
地上に戻ったアイズは何故か元気が無く、それを心配したティオナたちが遊びに誘い出し、少し調子を取り戻す。その後、アイズはロキにも強引に怪物祭へ連れ出されるが、突如、地上に現れた極彩色のモンスター(食人花)と対峙する。この戦闘に、怪物祭の見学に来ていたティオネとティオナも参戦するが丸腰だっため苦戦し、レフィーヤは重傷を負う。食人花はアイズたちを追い詰めるが、レフィーヤが執念で起ち上がり、召喚魔法により食人花を氷結してアイズたちがとどめを刺すことで事無きを得た。
外伝 第2巻
時系列としては本編2巻開始前から前半に相当する。
ロキはベートと共に怪物祭の騒動で地上に現れた食人花の出現ルートを調べ、旧式の地下水路で食人花を発見し、これをベートが退治する。地上に戻ったところ、ディオニュソスとフィルヴィスと遭遇し、ディオニュソスは極彩色のモンスターの件でロキに協力関係を打診する。
一方、アイズは怪物祭の騒動で破壊した代剣を弁償するためにダンジョンで資金稼ぎをするつもりだったが、これにフィン、リヴェリア、ティオネ、ティオナ、レフィーヤが付き合い、パーティーでダンジョンに向かう。18階層へ到着したアイズたちは、リヴィラの街で殺された冒険者の犯人捜しに協力し、アイズとレフィーヤは殺された冒険者から受け取った胎児が封入された緑色の宝玉の運び屋役である冒険者(ルルネ)を捕らえるが、冒険者を殺害した謎の女性(レヴィス)から襲われる。アイズはレヴィスに追い詰められるが、間一髪でフィンとリヴェリアが間に合いレヴィスを追い返す。胎児は多くの食人花を巻き込んで精霊の分身となり、リヴィラの街は大混乱となるが、レフィーヤが魔法で食人花の群れを殲滅し、ティオナとティオネにより精霊の分身は打倒され、ひとまず18階層の騒動は沈静化する。
その後、フィンたちは下層の37階層まで探索して十分な成果が得られたために地上へ帰還するが、レヴィスが自身を「アリア」と呼んだことや戦闘で敵わなかったことに思い詰めるアイズはダンジョンに残り、単身でウダイオスに挑戦して討伐に成功する。その帰還の途、アイズは精神疲弊したベルと遭遇し、ベルを介抱するが、気がついたベルは再び逃げ出してしまい、アイズは呆然とする。
外伝 第3巻
時系列としては本編2巻後半から本編3巻冒頭に相当する。
アイズはLv.6へランクアップしたが、その心はどこか曇っていた。いつものようにダンジョンに向かうアイズは、その道中でエイナからベルの救援を依頼される。10階層へ急行したアイズはベルを手助けするが、焦るベルはアイズに気付かずに慌てて上層へ向かってしまう。その場に残されたアイズはフェルズと遭遇し、24階層の食料庫における騒動の調査と鎮圧を目的とした冒険者依頼を受け、リヴィラの街で落ち合ったアスフィたちとパーティーを組んで24階層へ出発する。
そのころ、フィンは巨蟲対策のために椿に不壊属性の武器作製と遠征への同行を依頼し、ロキはディオニュソスから呼び出され、24階層の騒動について相談されていた。ロキは断るつもりだったが、アイズからの連絡が届いたため、ベートとレフィーヤを24階層へ派遣し、ディオニュソスはロキの信用を得るためにフィルヴィスを同行させる。24階層へ向かう道中のフィルヴィスはベートとレフィーヤに頑な態度を取るが、レフィーヤが強引に距離を縮めたことで二人は親しくなってゆく。
不気味な緑肉で覆われた食料庫への通路でアイズがパーティーから分断されるが、目的地の食料庫に到達したアスフィたちは、6年前の27階層の悪夢で死亡したはずのオリヴァス、闇派閥の残党、食人花の群れと戦闘になり、その場にレフィーヤたちのパーティーも到着して乱戦となる。レフィーヤに支援されたベートの攻撃で追い詰められたオリヴァスは、怪人に生まれ変わった自身の姿を明らかにし、自分たちの目的がオラリオの破壊であると宣言する。
レヴィスはアイズを生け捕りにしようとするが、アイズはLv.6の力でレヴィスを圧倒し、「アリア」について問い質す。食料庫へ追い詰められたレヴィスは、衰弱したオリヴァスの魔石を喰らうことで自身の能力を強化を図り、アイズの剣を叩き落としてアイズを追い詰めるものの、ベートとレフィーヤによる援護により剣を取り戻したアイズに深傷を負わされる。レヴィスは、巨大花を暴走させ、食料庫の大柱に取り付いていた宝玉を「エニュオ」に渡せと仮面の人物(エイン)に告げ、アイズに59階層へ向かうように挑発して撤退する。
地上に帰還したアイズは、エイナの助けで漸くベルと対面することができ、お互いに伝えたい言葉を交わし合い、ベルの一言が切っ掛けで、アイズはベルに師事されることになる。
外伝 第4巻
時系列としては本編3巻に相当する。
アイズに持たせた眼晶から、24階層の争乱を観察していたフェルズはエニュオが事件の重要神物であると考えるが、ウラノスはエニュオという名の神は知らず、神の言葉では都市の破壊者という意味の単語であると語る。
アイズはベルの成長の秘密に興味があり、朝早くからベルとの訓練の場へ出かける。その姿を偶然見かけたレフィーヤはアイズの後を追い、その道中でベルと出会う。その後、拠点に戻ったアイズは、レフィーヤからの思わぬ圧力によりベルとの訓練を打ち明けてしまい、半ば強引にレフィーヤにも師事されることになり、59階層への再遠征までの間、アイズは忙しい日々を過ごす。
ロキ・ファミリアは再遠征に出発し、その道中の9階層でベルの冒険に立ち会い、衝撃を受ける。ベルに当てられたベートたちは、深層へ向かう道中で熱が入り過ぎるが、部隊は予定通り50階層に到着し、ファミリアの幹部と椿やレフィーヤ等を加えた選抜隊のみで59階層に向かう。52階層で砲竜による階層無視の砲撃を受け、選抜隊は二隊に分断され、砲撃の穴に落下したレフィーヤは、フィルヴィスやアイズとの訓練でものにした魔法の並行詠唱を早速実践し、深層のモンスターを一掃してティオネたちと共に58階層に降り立つ。さらに遅れて降り立ったガレスが砲竜の群れを一人で始末し、階層無視の砲撃の元を絶つ。一方、正規ルートで急ぎ59階層へ向かうフィンたちは、53階層でエインが率いる巨蟲の群れに遭遇するが、事前の準備が功を奏して巨蟲を難なく打倒し、椿がエインの片腕を切断して追い返す。
58階層で合流した選抜隊は59階層へ侵入し、巨蟲と食人花の魔石を大量に喰らった精霊の分身と対峙する。精霊の分身はアイズをアリアと呼び、アイズに照準を定めて強力な魔法を放ち、パーティは壊滅に近い状態となる。フィンはベルを出しにしてパーティに奮起を促し、レフィーヤを含む幹部たちの突撃により精霊の分身に肉薄し、最期はアイズがとどめを刺す。戦いに勝利したフィンは怪人の企みを、宝玉を用いた地上での精霊の分身の召喚と推測し、当面の問題として、これに対処する必要があると考える。
一方、地上では極彩色のモンスターや怪人による同じ被害者として、ロキとディオニュソスとヘルメスが対談し、ダンジョンのもう一つの出入口を明らかにするために、三者間で同盟を結ぶ。
外伝 第二部
外伝 第5巻
時系列としては本編4巻後半から本編5巻に相当する。
59階層からの帰還の途、ロキ・ファミリアの部隊は毒妖蛆の異常発生にかちあい、部隊の多くが行動不能となり、18階層での休息を余儀なくされる。そこに、中層で遭難したベルたちのパーティーが到達し、フィンはベルたちを受け入れて治療を施す。間もなく、ベルたちを助けにきたヘスティアとヘルメス、その護衛であるアスフィとリューが合流する。ティオナたちは英雄譚に詳しいベルに精霊「アリア」について問うが、核心について何も得られなかった。その後、ティオナたちのアイズへの心配に配慮したリヴェリアは、アイズには精霊の血が流れていることを明かす。
ヘルメスの男の浪漫に付き合わされたベルはレフィーヤの怒りを買い、18階層の森の中で追い回され、二人で迷子になってしまう。怒りが多少収まったレフィーヤはベルと野営地へ戻ろうとするが、その道中で闇派閥と考えられる人物たちを発見、ベルと共に彼らを尾行するものの、落とし穴のような罠に嵌る。溶解液で満たされた穴そのものが極彩色のモンスター(巨靫蔓)であったが、レフィーヤはベルへの蟠りを捨て、自身の砲撃魔法とベルの英雄願望の協奏で二人は罠から抜け出すことに成功する。瀕死のレフィーヤとベルは闇派閥が操る食人花から追撃されるが、そこにリューが現れて食人花を打倒する。リューはベルとレフィーヤを治療し、騒ぎを察知したアイズたちが到着したので、その場を後にする。
ベルとレフィーヤがアイズと共に野営地に戻った後、フィンたちはその場を調査したが、闇派閥に関する証拠は何も見つからなかった。フィンはこの場を改めて調査することにし、毒の特効薬が地上から届いて団員の治療が済んだので、地上へ部隊を撤退させる。リューは食人花を解き放った闇派閥を捕らえて尋問していたが、エインにより闇派閥の団員は魔剣で消し炭にされ、口封じされてしまう。リューはその跡地で「D」の文字が刻まれた謎の魔道具を手に入れる。
外伝 第6巻
時系列としては本編6巻の開始前から冒頭までに相当し、ロキ・ファミリア入団前のティオネとティオナの過去が描かれている。
遠征から戻ったロキ・ファミリアではベート、ティオネ、ティオナがLv.6へランクアップし、レフィーヤも魔力のアビリティが成長するまで保留したが、ランクアップ可能となる。団員たちは遠征の後始末でそれぞれ忙しい日々を過ごしていた。
ロキはディオニュソスと話し合い、ダンジョンへのもう一つの出入口を見つけ出すために、ディオニュソスは都市を調査し、ロキはメレンの調査に向かう。ロキ・ファミリアは女性団員だけでメレンへ赴き、かつてダンジョン下層と繋がっていたロログ湖の出入口を調査したが、封印は健在だった。しかし、ロログ湖に食人花を確認し、この地に地上とダンジョンを繋ぐ経路の存在が示唆され、ロキは男神ニョルズ、ギルド支部、メレンの長に調査への協力を求める。
ロキたちは、かつてティオネとティオナが所属していたテルスキュラの女神カーリーと出会う。カーリーはフレイヤを打倒するためにイシュタルが呼び寄せた戦力だったが、ティオネとアルガナ、ティオナとバーチェとの闘争の儀式を望み、報酬の代わりにロキ・ファミリアの足止めをイシュタルに要望する。イシュタルは食人花をメレンの街で暴れさせ、フリュネがアイズを足止めし、カーリーはレフィーヤを攫って人質にして、ティオネとティオナを儀式に引きずり出すことに成功する。
ロキは罠を張り、ニョルズ、ギルド支部、メレンの長の共犯関係を暴き出す。ニョルズたちは海のモンスターを退治させるために、モンスターを襲う食人花を海に解き放っていた。ロキはニョルズからカーリーによる儀式の場所を聞き出し、男性団員をメレンに呼び寄せ、全力でカーリーの企みを潰しにかかる。
ベートがフリュネを叩きのめし、ガレスがレフィーヤ、アイズがティオナ、フィンがティオネを救出してメレンの騒動は収束した。その後、ニョルズは前髪で片目を隠した陰湿そうなヒューマンから食人花の提供を受け、その運び屋としてイシュタル・ファミリアと関係し、その代わりに陰湿そうなヒューマンの金儲けのための密輸に協力していたと打ち明ける。カーリーはイシュタルからメレンに招かれた理由は明かさなかったが、イシュタルには他にも「隠し玉」があるのだろうと示唆する。
外伝 第7巻
時系列としては本編7巻に相当する。
ロキたち同盟の神々は、これまでの調査結果からダンジョンのもう一つの出入口がダイダロス通りにあると確信し、ヘルメスはダイダロス通り近くに歓楽街を構えるイシュタルを、ロキはダイダロス通りの調査を開始する。一方、レヴィスはエインからの連絡でロキ・ファミリアによるクノッソスへの進攻が近いことを男神タナトスに伝える。タナトスはバルカに命じて、ヴァレッタとフィン、レヴィスと「アリア」の決着の場を設け、他は始末するように罠を巡らせる。
ダイダロス通りの旧式の地下水路を探索していたフィンたちは、最硬精製金属製の扉を発見する。扉前に部隊が集結したところで扉が開放され、フィンは罠の可能性を認識しつつ扉内部への侵入を決意、フィルヴィスもレフィーヤの護衛のために同行する。二つの部隊に分けて進攻したフィンたちは張り巡らされた罠により数人規模の集団に分断され、アイズは孤立し、フィンの集団はレヴィスの急襲によりフィンが呪道具で深傷を負わされる。ティオネの集団はタナトスらに雇われた暗殺者による弱体化攻撃、ティオナの集団は毒妖蛆に襲われ、ガレスの集団は闇派閥による自爆攻撃、ベートの集団はディックスの呪詛に苦しめられる。退路を探索するレフィーヤとフィルヴィスは六天使と竜の絵画が飾られた広間でタナトスと出会い、タナトスと闇派閥の真意を知らされる。
フィンはヴァレッタに執拗に狙われるが、フィンを囮にしたラウルとアキたちによる眼黽の怪物進呈により難を逃れる。アイズは能力強化を果たしたレヴィスに圧倒されるが、地下空間全体に及ぶ風を巻き起こして仲間の集結を促し、集結したロキ・ファミリアがレヴィスと対峙する。ところが、イシュタルとタナトスの気まぐれにより、精霊の分身が嗾けられ、アイズの風に興奮した精霊の分身はレヴィスの指示が届かず、レヴィスは他の精霊の分身の様子を探るために撤退する。ガレスとティオネとティオナが殿として精霊の分身と戦い、フィンたちはレフィーヤが見つけた退路から撤退する。精霊の分身はティオネの魔法とガレスとティオナの力業で絞首され、最期はガレスにより息の根を止められる。
複数の団員の死亡が確認され、怒りに燃えるロキが次なる戦いを決意した時、フレイヤ・ファミリアによるイシュタル・ファミリア壊滅が知らされる。
外伝 第8巻
時系列としては本編7巻後から本編8巻前に相当し、ロキ・ファミリア入団前のベートの過去が描かれている。
フィンたちは地下迷宮の鍵の情報を収集するために、全団員による人海戦術で破壊された歓楽街での鍵の捜索と元イシュタルの眷属たちへの接触を開始する。一方、地下迷宮への進攻で殺されたリーネにかけた言葉が原因で、ベートはファミリア内で孤立する。フィンは混乱を避けるために、ベートに暇を出す。
酒場でやらかし、アイズにまで突き放されたベートが街を彷徨っているところ、元イシュタルの眷属であるレナに絡まれる。レナはメレンで自身を打ち倒したベートに惚れており、ベートは鍵を探すために、不承不承ながらレナとのデートに付き合い、共にイシュタルの元歓楽街に向かう。そこで、バルカの呪道具で武装したヴァレッタが率いる暗殺者から襲われ、レナは自分が狙われていることに気付き、暗殺者たちを引きつけるためにベートから離れてゆく。ヴァレッタはベートを足止めするためにリーネたちの殺害ついて挑発的に暴露し、ベートの怒りが許容範囲を超えたことを察して一時撤退し、鍵の流失を防ぐために元イシュタルの眷属であるアマゾネスたちを襲撃し続ける。
バルカの呪道具による傷はアミッドの魔法でしか治療ができないため、命を落とすアマゾネスもいた。精神疲弊寸前のアミッドから治療を受けたベートは咆哮を上げ、一人街に出て行く。フィンはヴァレッタの件をベートに一任し、ヴァレッタたちの退路を断つために、ファミリアで扉に繋がる地下通路を封鎖する。ベートは暗殺者たちを次々と始末し、誘いに導かれて地下の広間でヴァレッタと対峙する。事前に施されていたヴァレッタの結界魔法により、ベートはLv.4程度まで弱体化させられる。魔剣の集中攻撃を浴びつつ、ベートは自らの弱さを象徴するかのような詠唱を行い、魔法を発動する。ベートは魔法による吸収効果と爆発的な威力により周囲のものを全て破壊し、命乞いするヴァレッタを容赦なく消し炭に変える。
その後、ロキの一芝居もあって、ベートの罵詈雑言は弱者への叱咤激励であることがファミリアに直接伝わり、ベートの孤立は解消し、逆に下位団員から付きまとわれる。また、アミッドによる秘薬の開発がぎりぎりで間に合い、命を繋ぎ止めたレナからも付きまとわれ、ベートには顔を真っ赤にして怒鳴り散らすことしかできなかった。
外伝 第9巻
時系列としては本編8巻に相当する。
ラキア王国の進攻に対して、ロキ・ファミリアは前線で防衛の任に就き、レフィーヤは移動砲台となって広域魔法を放ち、ラキア王国の眷属たちから恐れられていた。ラキア王国は徒に戦線を長期化しており、フィンはその狙いがオラリオ内部にあると確信し、フレイヤ・ファミリアに防衛を任せ、団員たちにクノッソスの鍵と扉の探索を指示する。ロキ・ファミリアの調査から、闇派閥が密輸に使っていた地上の洞窟とダンジョン18階層の隠し扉が明らかになる一方、壊滅した歓楽街の再調査では鍵を発見できないでいた。
フレイヤは先の抗争でイシュタル・ファミリアの副団長タンムズを魅了し、その身柄と鍵を確保しており、闇派閥、クノッソス、精霊の分身等についても既に把握していたが、神の勘に基づき、ロキには情報を伏せることにした。ロキはヘルメスを呼び出して鍵の入手を依頼するが、ヘルメスはウラノスと異端児の件で協力関係にあり、板挟みになっていた。
ラキアとの戦争ではヘスティアがアレスにより攫われ、追走したアイズはヘスティアの体調が回復するまでベルと共にベオル山地のエダスの村で休息を余儀なくされていた。アイズは村の人々との交流により良い村だと考えていたが、黒竜の鱗がモンスター除けに奉られていることを知ると、アイズは自身の闘争心が抑えらず、ベルや村人との距離が一気に広がったと感じる。村の祭りでヘスティアやベル、村人の楽しそうな様子を見て、アイズはさらに孤独を感じていたが、ヘスティアがアイズの悩みを見抜いて相談にのることで悩みが和らぎ、さらに、ヘスティアと一緒に踊ることで、微かな笑みを浮かべるようになる。
本巻ではロキ・ファミリア入団直後の幼少期のアイズが描かれている。幼少期のアイズは今以上に戦うことにしか興味がなく、教育係となったリヴェリアを始め、フィンやガレスに我が儘し放題だった。復讐心に駆られるアイズは、タナトスに目を付けられて闇派閥に勧誘されたが、断っている。タナトスはアイズを始末するために、ダンジョン12階層で神威を開放し、黒い翼竜をダンジョンに産ませたが、アイズは初めて魔法エアリエルを唱え、これを打倒する。
外伝 第三部
外伝 第10巻
時系列としては本編9巻から本編11巻に相当する。
アイズは地上に出現した竜女を庇うベルの行動と、互いに庇い合う武装したモンスターたちのあってはならない姿に懊悩する。フィンはウラノスとヘルメスが理知のあるモンスターを囲っていることを見抜き、全てを捨てる覚悟で竜女を庇ったベルの愚直な行動を尊いと感じる自身に対して憂鬱になる。
フィンは自身の推測をリヴェリアとガレスにだけは打ち明けるが、自身の成り立ちと感情からモンスターとの結託を拒否、鍵の入手を目的とした、モンスターの確保とそれを囮にして闇派閥を釣り出すための二面作戦を立案し、ダイダロス通りの地上と扉へファミリアを布陣する。ラウルの布陣の綻びがリリの仕業だと見破ったフィンは、アキに命じてリリの身柄を確保させ、その変身魔法を利用して闇派閥を釣り出し、鍵を入手する。 地上では、一度は地下に逃げ込んだ石竜が再び現れ、衆目の前でベルと対峙する。状況の出来過ぎさから、フィンはヘルメスによる茶番と気付いていたが、石竜を最後まで信じたベルの愚しいほど眩しい行動に再び衝撃を受け、ベルに感化されたことを自覚の上、これまでの自分を捨てて本物の英雄となる決意をする。
アキから鍵を託されたリヴェリアの妖精部隊はクノッソスを速効で蹂躙し、闇派閥から新たな鍵を手に入れ、ダンジョン12階層への扉を発見後も進攻を深める。一方、ヘルメスはクノッソスの扉に陣取るクルスと交渉し、フレイヤから譲り受けた鍵を渡す代わりにクルスたちを撤退させ、フェルズと異端児たちをクノッソスへを導く。これを知ったタナトスはクノッソスの扉を操作して異端児たちと妖精部隊を遭遇させ、その場に闇派閥とレヴィスも加わって乱戦が始まる。この中で、歌人鳥が身を挺してレヴィスの剣からアリシアを庇い、妖精部隊のエルフたちは衝撃を受ける。レヴィスが追撃を仕掛けた瞬間、間一髪でフィンやガレスが駆け付け、フェルズたちにも同行を促しつつ素早くその場から撤退する。新たな決意を得たフィンは歌人鳥の治療を指示し、フェルズと異端児に向かって共闘を呼びかける。
リューを振り切ったアイズは竜女を守るベルと戦闘になるが、ベルを庇った竜女は自身の爪や翼を折り、自身の想いをアイズに告げる。竜女の行動と言葉に自身の過去を投影して竜女を見逃してしまい、自身の誓いを初めて破ったことに衝撃を受けたアイズは、雨に打たれながら立ち尽くす。
外伝11巻
時系列としては本編12巻前から本編14巻に相当する。
クノッソスの鍵を確保したフィンは、異端児やウラノスとの協力関係を得て、クノッソスへの本格的な進攻作戦を計る。自身の誓いを破ったことに苦しんでいたアイズは、前に進む決心を固め、フレイヤへの借りを代償にオッタルとの訓練に臨む。ヘルメスはこの件からベルを遠ざけるためにヘスティア・ファミリアへの強制任務をウラノスへ要求する。ロキはディオニュソスから自身とその眷属たちの作戦への同行を依頼され、同意する。
ダンジョン18階層から異端児が、地上からフィンたちが、クノッソスへの挟撃を開始する。唯一の懸念であったレヴィスは囮として12階層から進攻したアイズが抑え、フィンたちは二度の経験から効率的にクノッソスへ攻め入り、隠密行動していたアスフィらがバルカを追い詰め、ついに「ダイダロスの手記」を手に入れる。これによりフィンたちはクノッソスの構造を完全に掌握し、タナトスと闇派閥の幹部たちを包囲する。観念したバルカは自身に宝玉の胎児を寄生させて異形の怪物へ変わり果て、その強力な呪詛にフィンたちは苦戦するが、アミッドの全癒魔法によりバルカだったものは絶命する。
ロキはタナトスと対峙して最期を言い渡すが、ディオニュソスの不在に気付き、慌てて眼晶で呼びかける。眼晶に前後不覚のディオニュソスがエニュオに殺害された様子が伝わり、神の強制送還の衝撃が届いた瞬間、クノッソス内部に全てを飲み込む緑肉が爆発的に発生する。主神の送還により常人となったフィルヴィスは、レフィーヤの目前でエインに首を折られて緑肉に飲み込まれ、ディオニュソスの眷属も逃げ遅れて全員死亡する。その他の進攻部隊は撤退に成功するが、ロキとフィンたちは逃げ場を失う。タナトスはエニュオに踊らさせられていた腹癒せに自刃し、神の送還で穿たれた穴からロキたちに逃げろと告げる。ロキたちは慌てて撤退し、逃げ遅れたフィンもレイが間一髪で助け出す。
クノソッスから撤退後、ロキとヘルメスはディオニュソスを黒幕と推理していたと互いに打ち明ける。ヘルメスは悔しさを滲ませ、元凶探しに走る。感傷的になっていたロキの前に偶然ソーマが現れてロキから神酒の匂いを察知、ディオニュソス・ファミリアの本拠に向かったロキは、神でさえ酔わすことができる葡萄酒を発見し、とある神を思い浮かべる。
外伝 第12巻
時系列としては本編14巻後から本編15巻前に相当する。
ギルド本部に向かっていたアイズたちは街角で左腕に妙な鎧を装着したベルと出会い、レフィーヤがクノッソスで見た六天使と竜の絵画について、精霊とニーズホッグの物語を示すものであると知る。ウラノスは異端児と信頼するファミリアに緑肉の除去を進めさせ、フィンはフェルズ、シャクティ、椿などの各派閥の代表者と作戦会議を行い、敵の狙いが六体の精霊の分身を用いた大秘術「精霊の六円環」によるオラリオの破壊であることを告げる。ロキはヘルメスと会い、エニュオについての推理を説明し、それを受けてヘルメスは女神デメテルを追跡する。拠点に戻ったロキはフィルヴィスの死に直面して心を閉ざしたレフィーヤにエインについての推理を伝え、レフィーヤはロキに叫き散らすが、真実を確かめるために再起する。
オラリオと異端児の部隊はクノッソスに侵入し、六体の精霊の分身と対峙し、その防御機構を潰す事に専念する。その道程でアイズはレヴィスと対峙し、スキル復讐姫と魔法エアリエルを結合した黒き力でレヴィスを12階層まで落とし、ベートとレフィーヤもエインにより落とし穴で12階層まで落とされていた。フェルズがクノッソス内部の魔力回路を破壊したところで、フレイヤやカーリーの眷属が参戦し、異端児の部隊にアステリオスが合流する。また、ヘスティアの眷属も参戦し、これらの援軍により、精霊の分身を追い込んでゆく。地上では食人花が暴れ回るが、ギルドが旗を振り、作戦に参加しなかったオラリオの冒険者やニョルズの眷属たちが対処する。
レフィーヤはエインにロキの推理を語り、ついにエインは正体を明かし、分身魔法を解除して真の姿を晒す。アスフィとリュー、アイシャと春姫はベートとレフィーヤの下へ駆け付け、エインと対峙する。ヘルメスはベオル山地の隠し小屋でデメテルを見つけ、貴女はエニュオではないと告げる。一方、ロキはクノッソスの隠し通路の先で、ついにエニュオと対峙し、自身の推理を語る。エニュオは正体を明かし、自身の目的はモンスターに襲撃されて子供たちが狂い叫ぶ時代の復活であり、そのために怪人や闇派閥と手を結んで、この動乱を15年前から進めていたことを暴露する。
追い詰められたはずのエニュオは切り札を隠しており、七体目の精霊の分身(ニーズホッグ)による冒険者たちの殲滅こそが本命だと笑い出す。ニーズホッグを発見したラウルから連絡を受けたフィンには既に打つ手が無かったが、神の思惑に対抗するための「未知」を閃き、ベルをニーズホッグの下に運ぶようにレイに命令する。ベルは全力で英雄願望の蓄力を始め、クノッソスに大鐘楼の音が響き渡る。
アイズは消耗戦となりつつあるレヴィスとの戦闘で、さらに自身の黒き復讐心に頼ろうとするが、そこにベルの鐘の音が響き渡る。アイズは復讐心に飲み込まれる直前で踏み止まり、白き一撃でレヴィスにとどめを刺す。エインとの戦闘で深傷を負っていたベートたちは、ベルの鐘の音が切っ掛けで起ち上がる。春姫の魔法によりLv.7の力を得たベートは、エインに挑むが決定打に欠け、最後の手段として魔法を詠唱する。その間、レフィーヤたちがエインの攻撃を受け止め、ベートは完成した魔法を付与した渾身の拳を叩きつけ、そこにレフィーヤが追撃する。ついに、エインは力尽き、レフィーヤに魔石を砕かれる。ニーズホッグはベルの英雄願望により消滅し、エニュオの切り札は打ち砕かれる。ロキはエニュオを淡々と叩きのめし、そこに灰化が進むエインの片割れが駆け付ける。エインの片割れはエニュオから歪んだ愛を語られ、満足して逝く。エニュオは最期にダンジョンはもう限界だと言い残し、自刃して天界に送還される。
アイズはベルの下に向かい、精神疲弊したベルに感謝の言葉を告げ、その隣で休息を取る。レフィーヤは灰化するもう一方のエインの片割れと、最期の言葉を交わす。そして、レフィーヤの慟哭がクノッソスに轟き、エニュオによる動乱は幕を閉じる。
ファミリアクロニクル
episodeリュー
グラン・カジノをぶっつぶせ!
ベルと初めて出会って2ヶ月後、酒場「豊饒の女主人」のリューは、娘アンナを賭博の担保に取られて嘆く夫婦と出会い、アンナの救出を画策する。リューはアスフィに調査を依頼し、ギルドも手が及ばないオラリオ最大のカジノ「エルドラド・リゾート」にアンナが捕らわれていることが明らかとなる。シルがとある猫人からカジノの招待状を入手し、リューとシルは夫婦に扮してカジノに侵入する。モルドに連れられてカジノに来ていたベルの「幸運」もあって、賭けに勝って資金を得たリューとシルは貴賓室に招かれ、オーナーのテリーと対峙する。テリーはシルの身柄を賭金として要求するが、シルはテリーたちとポーカーで勝負に挑み、不利な状況をものともせずに悉く勝利する。リューによりテリーが偽者であり、その正体がかつてアストレア・ファミリアに捕らえられたテッドであることが暴露され、テッドは用心棒として雇っていた賞金稼ぎの黒拳と暗殺者の黒猫を嗾けるが、その黒拳と黒猫も偽者であり、リューに倒される。テッドはアンナを連れて金庫に閉じ籠もるが、リューの魔法で金庫は破壊され、リューに殴り飛ばされたテッドは、シルの耳打ちにより観念し、ガネーシャ・ファミリアに捕縛される。囲われていた女性たちも開放され、リューとシルは無事にアンナを両親の下へ送り出す。
そこは豊饒の酒場〜Girl meets Girls〜
賞金稼ぎで黒拳の通り名で有名なルノアはリューの討伐をブルーノ商会から依頼され、暗殺者で黒猫の通り名で有名なクロエもリューの殺害をドワーフの商人から依頼され、それぞれ、これを最後に引退するつもりで依頼を引き受ける。
路地裏を通りかかったシルは、闇派閥への復讐を果たした瀕死のリューを見つけ、「豊饒の女主人」に運び込んで介抱する。女主人ミアが作った食事を平らげたリューは、宿代を含めて5000万ヴァリスの借金を言い渡され、シルは嘘っぽく泣き崩れ、リューは「豊饒の女主人」で働くことになる。リューは慣れない酒場の仕事に失敗続きであり、シルに何故自分の世話を焼くのかを尋ねる。シルは、暗黒期だったオラリオが再び笑うようになった変化をリューに示し、リューのおかげであると感謝を伝える。リューはシルの言葉からアリーゼたちが残したものを見届ける未来を見出し、シルに恩を返すために「豊饒の女主人」にしばらく厄介になると決める。
ミアはルノアとクロエの監視に気付いたリューに自分で落とし前を付けろと告げ、シルと共にフレイヤの下へ出かける。これ幸いと馬鹿騒ぎした店員たちを介抱し、眠ろうとしたリューに、クロエが襲いかかり、次いでルノアが襲撃する。リューはルノアと一騎打ちとなり、漁夫の利を狙って観戦していたクロエは眼を覚ましたアーニャと戦闘になる。リューは自爆覚悟で魔法を放ち、店の一部を含めて周囲を爆発させる。そこに、ブルーノ商会たちが現れ、今回の件が三人を潰し合いさせるための罠であると暴露し、リューたちに襲いかかる。リューたちは共闘して商人たちを圧倒するが、図ったようにミアとシルが帰宅する。店の惨状を知ったミアは、拳骨1つでアーニャを沈め、店を壊した者たちに雄叫びを上げる。
事情を把握したミアは、ブルーノ商会とそのバックにいたファミリアを根刮ぎ壊滅させる。ルノアとクロエはミアから1億ヴァリスの借金を背負わされるが、リューも含めてミアを母さんと呼ぶ「豊饒の女主人」の仲間となる。
episodeフレイヤ
アリィと8人の眷族
女神フレイヤは「伴侶」探しの発作を起こし、オラリオの外へ旅に出る。砂漠のオアシスであるリオードの町に辿り着いたフレイヤは、そこで奴隷商人に捕らわれていたアリィを見初める。アリィは隣国の襲撃により一人奴隷に扮して王都から何とか逃げ出した王族であり、臣下と落ち合うために隠し砦への帰還をフレイヤに願い出る。フレイヤは隠し砦に戻るアリィにデートと称して同伴し、自由奔放な振る舞いでアリィを困らせるが、その道中で王として懊悩するアリィに、勝負においては博打を打つこと、楽しみを持つ意義、己を賭して気高くあれ等の助言をしてゆく。隠れて随伴していたオッタルらファミリア幹部8名の護衛により、難無く隠し砦に到着したアリィは、惨殺された臣下たちの姿に声を失う。
アリィは隣国へ対抗するために、オッタルたちの力を借りたいとフレイヤに頼む込むが、フレイヤはこれを拒否し、アリィに奪ってゆけと告げ、盤上遊戯の勝負を挑む。アリィは腹を括り、自身の身を賭けた勝負に臨むものの、勝負は圧倒的にフレイヤが優位に進む。アリィは諦めずに自身も気がつかない起死回生の一手を放つ。フレイヤは笑い声をあげ、アリィに自身の負けを説明し、オッタルたちを貸し与える約束をし、さらにご褒美を与える。8万の敵に対してアリィはオッタルら8人の第一級冒険者のみが戦力だったが、質が量を圧倒して敵国は壊滅する。
国には平和が戻り、アリィはフレイヤに感謝を述べる。フレイヤはアリィの輝きが王である責務に基づくものであることに気づき、自身の「伴侶」とすることを諦め、アリィに王として生きろと告げる。オラリオに戻ったフレイヤは、再び退屈を持て余していたが、ベルという新たな「伴侶」の候補を見つけ、高揚感に打ち震える。
最強の起源
フレイヤの許しを得たオッタルは、アイズの偉業で明らかとなったドロップアイテムを目当てに、37階層の階層主ウダイオスの単独討伐に向かうが、その道中の25階層で同じファミリアのアレン、ヘグニ、ガリバー四兄弟から襲撃される。フレイヤ・ファミリアではフレイヤの寵愛を得るために、眷族間の殺し合い紛いの戦いは日常茶飯事であり、オッタルは自身がLv.2だった頃の激しい洗礼を思い出していた。当時、団長であり食事も担っていたミアに、自身を追うのではなく、常に考え、視野を広く持ち、とにかく食べろと告げられ、また、オッタル自身が追われる者になるだろうとも語られていた。体も大きくなり、副団長を経て団長となり、オラリオ最強と呼ばれる身だが、かつてゼウスやヘラ・ファミリアに在籍していたLv.8やLv.9の冒険者に軽くあしらわれてきたオッタルは、更なる高みにしか興味がなく、自分を追うアレンたちは眼中になかった。それでもオッタルは助言をしながらアレンたちの相手をしたが、ヘディンがフレイヤの署名を持って、アレンたちを止めさせる。オッタルは37階層でウダイオスと対峙し、戦闘はオッタルの一方的優勢に進み、ウダイオスは大黒剣による一撃を放つ。オッタルは回避せずに真っ正面からこれを受け止め、絶対防御は健在だが体は耐えきれず、自身の未熟を知る。オッタルは魔法によりウダイオスを討伐、大黒剣を加工した新たな武器にフレイヤは覇黒の剣と命名する。
それぞれの昔日
アレンとその妹、ガリバー四兄弟、ヘグニとヘディン、そしてシルとフレイヤとの出会いが短く描かれている。
スタッフ
- 音楽井内啓二
- キャラクターデザイン木本茂樹
- シリーズ構成白根秀樹
- 監督
制作会社
J.C.STAFF継つぐもも
繼怪怪守護神(第2期)
主人公である加賀見一也は、上岡東中学校2年2組に在籍する14歳のごく普通の男子中学生。母・奏歌を幼いころに亡くし、現在は父・一明と高校生の姉・霞との三人暮らし。一也には何故か母の記憶がないが、亡き母の形見でもあり家に代々伝わる絹の袋帯の匂いが大好きで、その袋帯を肌身離さず持ち歩いていた。そして、気持ちを落ち着かせるため、毎日欠かさず桜の香りがするその袋帯の匂いを嗅ぐのであった。
ある日、学校の屋上でいつものように袋帯の匂いを嗅いでいた一也だったが、なぜか足元に落ちていたカツラが突然妖怪と化し、襲われそうになる。その時、ピンチの彼を救うべく、目の前に着物姿をした謎の美少女が現れた。一也を覚えているかのように一言「久しいな 一也」と言葉を発したその美少女の正体は、実は一也の想いがこもった亡き母の形見である袋帯から現れた、付喪神である桐葉だった。
「久しいな」と言われたものの、桐葉のことを全く思い出せない一也。それもそのはず、桐葉は〔つくもつき〕となってしまった母・奏歌を止む無く殺した後、一也らが住む上岡の土地神・くくりに頼み込み、原身である帯から人の姿になることができなくなることを承知の上で、その当時幼かった一也の記憶から亡き母とともに自身の記憶を封印させたからであった。
それから長い年月を経て、桐葉が再び人の姿となって現れて以降、一也の周りでは次々と怪異が発生するようになる。その動きを察したくくりは黒耀を遣わせ、白山神社へと一也を招く。そこで一也はくくりから自身が「怪異を発生させる『呪詛(すそ)』を集めてしまう存在」であることを明かされた上で、奏歌の後任として怪異を調伏する大役「すそはらい」になるよう神勅として命じられる。
「すそはらい」の任を命じられたものの、「すそはらい」としては未熟であった一也だが、桐葉や、時にクラスメイトらとも協力し、学校や町で次々と発生する怪異を調伏し事件を解決していく。そうして「すそはらい」としての才能を開花し実力をつけていった最中、一也の周りで意図的に〔あまそぎ〕を生み出し怪異を発生させて騒動を引き起こしている集団の正体が露わになる。彼らは、所有者たる人間の横暴に耐えかね、「迷い家」と呼ばれる隠れ家を拠り所としたつぐももの集団であった。「家」のつぐももであるミウラヒの中に宿した石片の霊力により、所有者がおらずとも生き長らえた彼らであったが、付喪神としての命が絶え器物へと還ってしまった者が出てくるなど石片の霊力が薄れてきたことから、霊力が枯渇する前にくくりを殺して石片を奪う「おのごろ祭り」の決行を試みる。
ミウラヒたちが一斉に上岡へ襲撃を開始したことで、くくりは結界を解き、元の大人の姿に戻る。近くに住む土地神・ほのかやたぐりなども参戦し、土地神たちと付喪神たちとの一大戦争が繰り広げられている最中、くくりらの前に、2人の帯のつぐもも・あざみと、彼女らに守られ〔つくもつき〕と化した奏歌が姿を現す。幼いころの一也が込めた「ぼくを殺せ」という願いを叶えんと、迷い家勢とくくりらを圧倒する奏歌。必死の抵抗を試みるもくくりは倒され、一也とすなおは「かみがかり」を起こして立ち向かうも歯が立たず、桐葉は一也を守るため奏歌の攻撃をその全身で受けたことで切り刻まれた帯へと戻ってしまった。一也にとどめが刺されようとしたその瞬間、姉・霞も参戦、霞は砂時計のつぐもも・砂織とともに「3年間」という特殊な結界を作り出した上で、奏歌とともに自らを封じ込め、時間稼ぎをする。
一也以外の第三者が奏歌を倒せば、上岡の街全体が大災害となるほどの大きな〔すそがえし〕が起きてしまう。〔すそがえし〕を回避するためには、〔つくもつき〕と化した奏歌を一也が倒さねばならないが、桐葉を失った一也には成す術がなく、今のままでは到底奏歌には敵わない。そんな中、緊急事態を受け上岡へと馳せ参じたすそはらい養成所「つづら殿」の頭首・織小花央姫から、霞が稼いだ3年の間「つづら殿」で修行することを提案された一也はそれを受け入れ、央姫とともに「つづら殿」へと出向く。
だが、「つづら殿」に到着した途端、一也は央姫とともに突然拘束される。実は央姫が「つづら殿」不在の間、副頭首の斑井枡次が起こした謀反により央姫は失脚し、斑井が新頭首となり実権を握ったのであった。斑井は「つづら殿」の中でも付喪神をパートナーと認めない「隷付喪神派」のトップでもあり、あるみの水晶玉を通してくくりと奏歌の戦いを見ていたが脅威を脅威と捉えておらず、奏歌討伐は自身の派閥でのみ行い、その間一也は地下に隔離、またほのかが救命した元迷い家の付喪神たちは全て破壊するという極端な結論を出した。逆に付喪神はパートナーだと認める「親付喪神派」のトップでもある央姫は元迷い家の付喪神たちを救うため再び実権を握るべく、「つづら殿」のトップである「九殿冠」を決める九殿武闘会の開催を斑井に提案、斑井はこれを飲み、九殿武闘会が開催された。実力差から「親付喪神派」が楽勝と思われたが4勝4敗と思わぬ接戦となり、大将戦までもつれこんだが、大将である一也が斑井に勝利したことで再び央姫が頭首となり、また斑井に拘束されていたあるみやみまねら迷い家の付喪神たちも無事解放されたのだった。
スタッフ
- 音楽高梨康治
- キャラクターデザイン中原清隆
- シリーズ構成倉谷涼一
- 監督倉谷涼一